読売わんわん

売ってません

2018-04-11から1日間の記事一覧

前大会に出した小説

地球防衛軍 一九九九年の七月三十一日、恐怖の大王が地球へやってきて、世界は滅亡する。ノストラダムスはそう言って、無責任に僕達の寿命を決めてしまった。 数分待って、ようやくホームページの青いトップ画面がスクリーンに浮かび上がる。地球防衛軍。 「…

始まり方

僕が彼女のことを好きになったのは、彼女が帰り道、解けたトレンチコートの紐を左手で握りながら歩いていたからだ。 彼女は右手で濡れた折りたたみ傘を持っていて、横断歩道で立ち止まったとき、少し迷ってから右手の甲で頰を掻いた。僕は彼女の後ろをつけ…

終わり方

僕は彼女に好きな場所を聞いた。彼女は薄ら笑いを浮かべて「カラオケまねきねこ」と答えた。馬鹿らしいと僕は思った。